次の日。


母親のせいでテンションが下がったまま学校へ向かった。


校門を通った頃、


「おはよ」


と後ろから声がした。


この声…樹だ。


私はパッと振り返る。


樹は笑顔で私の方へ寄って来た。


「おはよ」


さっきまで、腹が立ってたのにな。


不思議なことに一瞬にして怒りが吹っ飛んでいった。