……雨宮さんは、『上』へと行ってしまった。

実際にその場面を見たわけじゃないけれど、感覚的にわかるのだ。

私の体に入った雨宮さんが、私の体から抜けていく感じ……意識が無くても、なんとなくわかったんだ。


目が覚めた時に涙が出ていたのは、きっと、そういうことなんだと思う。

もう、あの人に会えることはない。




……恋。

雨宮さんが言ったそれは、多分当たっている。

私は雨宮さんに、恋をしていた。


私を必死に守ろうとしてくれた彼を、私も守りたかった。
もっとたくさん、話がしたかった。