空知らぬ雨


 



二ヶ月前、山南さんは大阪出張の際、浪士たちに左腕を斬られた



命に別状は無いが、刀を自由に振るうことは出来なくなった



だから、今回も山南さんは...


粛清に行ってない。




そう思うと嫌でも俯いてしまう




「那津君、私の腕のことを心配されているのですか?」


そんな私を見て山南さんは穏やかに声をかける



「...はい。」



「ハハッ、那津君は素直ですね。真っ直ぐで汚れのない...。だから土方君は君を隊士として、一人の人として信じたのでしょうね。」




えっ...?



「どういうことですか...?」



隊士?
認めた?
信じた?





「おや?土方君から聞いていないのですか?」