京の冬は寒い。 江戸の、寒さなんて比べものにならない ドサッと外で落ちる雪の音を聞きながら筆を持つ手を止める 「ふぅ。」 俺は手に持つ筆を硯におくと、煙管へと手を伸ばす 白い煙が俺の部屋の中に充満する。 俺はこの瞬間が好きだ 寂しい奴だなと思う奴もいるだろうが、この瞬間だけは俺が俺でいられるそんな時だと思っている。