塩辛い酒よりも、甘ったるいだけの酒が飲みたい。


「見える…?え、ちょっ、カルハ!お前もしかして【覚】(さとり)?!」


「馬鹿か。私は悪魔、サトリとかいう妖怪なわけないだろう?

ただ、見えてしまうんだよ。何が起こるか、何が起こったか。

今まで嘘をつきすぎた。だからこそ、他人の動向や言動が嘘かどうか分かるようになったし、次にとる行動も手に取るようにわかる。

皮肉めいた力だよ」



哀愁を漂わせるカルハ。だけど、おいらは皮肉だなんて思わない。



「……すごいこと、だと思うけどなあ。おいらはあんまし考えんの好きじゃないしさ、あ、イタズラ考えんのとは別だけどっ!」



ブイピースをすると、一瞬呆けたカルハもすぐにフッと笑ってくれた。