赤い目を同じ色をした赤眼鏡も印象的だ。
「私は悪魔、お前は妖怪。……まったく、どうしてこう鶴は惹きよせてしまうんだ」
「でも、師匠は優しいじゃんか。おいらはそんな師匠が好きだから、着いて来たんだよう」
「私だって鶴が好きさ。……だが、私と鶴の出会いはあんな優しくなかった。本来どちらかが死んだかもしれないのに」
「へえ、聞かせてよ」
「……また今度な」
そう言って隣に腰かけるカルハは、先程まで師匠が使っていた盃に酒を注いだ。
一口含むカルハは、やっぱりおいらと同じように怪訝な顔をするかと思ったけど。
「ああ、やはり鶴の酒は甘いな」
そう言って微笑むだけだった。


