だけど…そう思う度に思い出してしまう。

俺の愛した女の名前は…風花(フウカ)と言った。

いつも笑っていていつも落ち着いていて大人な女だった。

そんな彼女に悩みがあるのんて知らなかった。

父親からの虐待…俺は気づいてやれなかった。

そして耐えきれなくなった風花は自殺した。

俺宛の手紙にはこう書いてあった。

『琉貴へ
これを琉貴が読んでいる時はもう私はこの世にいないんだね…。
琉貴と過ごした時間は私の中で一番輝く大切な思い出です。
だから…そんな大切な思い出をくれた琉貴に言えなかった…虐待されてるなんて、心配かけたくなかったから。
なので最後の我が儘を聞いてください。
私の分まで生き幸せになってください。
私は嫉妬深いから琉貴が他の女の子といたら嫌だけどまた生まれ変わったら…一緒に生きてくれませんか?
琉貴のことを世界で一番愛している風花より』

俺は自分を恨んだ、風花の苦しみに気づいてやれなかったことを…

だから…今度は救ってあげたいんだ…。

別に好きとかじゃない。

ただ…あのときみたいになりたくないから…。

最後に瑠羽ちゃんを助けるのは流星だけど…せめて手助けだけでもしてやりたいから。

俺は新たな誓いを胸に眠りについた。