観央が気付かれずに逃げたのを確認した瞬間、李羽の視界が傾いた

殴られた痛みはないし転んだ訳でも無さそうだ

気付くと周りの不良は皆倒れていた


「危ない。もう少し自分を大事にしろよな」


頭の上から聞こえた低い声に驚いて顔をあげると、見知らぬ男性が居た

制服が一緒なところをみると、この人も西條南高校なのだろう


「有難う御座います、助かったよ」


相手の言葉を受け流すようにして、李羽はお礼を言った

そのためか、男性は苦虫を噛み潰した様な顔をしていた


「?」