「俺達の邪魔……?」
「はい。キス、してましたよね?」

また嫌なことを尋ねていると思いながらも聞いてしまう。すると彼は申し訳なさそうな顔をした。

「ああ、あれか……紛らわしかったよね。勘違いさせたならごめん」
「勘違い……ですか?」
「俺達は姉弟だよ。さっきは茜が『目にゴミが入った』って言うから見てあげてたんだ」
「きょ……きょうだい、ですか?」

確かに言われてみると二人とも綺麗な顔だし似ている気もする。それに姉弟なら名前で呼び合うのもおかしくない……。

私の胸は一気に軽くなった。

樹さんのことで不安になったり、嬉しくなったり……これって……。

「それに茜にはかっこいい旦那がいるし、息子もいる。俺の六歳上だから今年で三十八歳だよ」

私が自分の恋心に気づきかけていると、樹さんが話を続けていた。

茜さんのスレンダーな体型で子供までいるのは驚きだ。

しかし、私の頭の中は、樹さんが三十二歳だという計算でいっぱいだった。

「ねぇ、千穂ちゃん。誤解も解けたし、今からサプリに来てくれないかな……俺のために、お願い」

可愛く首を傾げて言われると、頷くしかできなくなる。私は『Caféサプリ』に戻ることにした。