「ここ!?」

「うん。そうだけど?」

驚いてしまう。だって、男友達の誕プレを買うのかと思ったら女向けのものがあるお店なんだもん…。

「女には何買えばいいのか分かんないんだよ。だから梨花についてきてもらった訳。」

うぬぼれていたのは私だけかぁ。少しでも気があるのかと思った。

「で、何買えばいいと思う?」

「自分で考えたらいいのに…。じゃあ、どういう人なの?」

「ばかで単純で可愛い子。」

「そんなんじゃ分かんないじゃん。」

「色で例えると薄いピンクみたいな。」

私と正反対…。そういう子が好みなんだ…。って私、何気にしてるんだろう。

「これはどう?」

小さくて可愛らしいハートのついたネックレス。

「可愛い…。」

はっ。私が見とれてどうする?ある人の誕プレを買いにきたのに…。

「んじゃ、それにする。あー似合いそう。」
ちょっと傷つくなぁ。って、私が好きみたいじゃん。隼人に恋をする?ありえない、ありえない…。

「よし、今日はありがと!これからちょっと時間ある?」

今は5時半。家に帰るにはまだ早い。

「うん。暇だし。」

「了解。じゃ、行くよ?」

私は隼人の自転車の後ろに座った。そして再び走り出した。