10年前の過去ー…。

私は今でも覚えている。
泰人と一緒に過ごしたあの日々を。

あの時は小学生。交わした約束は

『二人で幸せになって人生を一緒に歩む』

今思えば、小学生なりにしっかりした約束だったと思う。
でも、私は好きがよく分からなかったんだ。この時にはただ単に仲良しな友達だと思って約束を交わしたのだと思う。

「俺は梨花ちゃんがだいすきー!」

「私も好きだよー…。」

何となく、迷っていたのを思い出す。もしかしたら、予感を感じていたのかも知れない。

私はその時、好きな人なんて居なかった。作ろうとも思わなかった。なぜこのときからそう思っていたのだろうか?

その原因は、泰人だったんだ。

梨花は好きとか愛してるとかの言葉を言うのとあの行為が『愛』だと思っていた。そう、その愛しか知らなかったんだ。私は、今まで…。