二人は並んで廊下を歩く。先に沈黙を破ったのは秀哉君だ。

「ねぇ、梨花ちゃん。」

「なぁに?」

「どっちに行くの?」

「えっ…。」

「図書室?放送室?」

「っ…。」

「あー…。迷ってる感じですかぁ。」

私はコクンとうなずいた。

それはそうだ。親友の竜一。恋人の隼人。どちらかを選ばなければならない。

「んじゃ、ここの教室は?」

「え?」

ガラガラ…

「陽香!」

「っ!梨花っ!」

「なんでここにいるの!?」

すると陽香の目から涙が流れていた。