俺は竜一を連れて、放送室へ向かった。

俺は…はっきりさせる。

みんなのためにも。

俺と梨花のためにも。

「隼人。いきなりどうしたんだよ。」

「なぁ、竜一。」

「あ?」

「今日で、はっきりさせるから。」

「は?なにを?」

驚きと不思議な感じが隠しきれてないみたいな竜一。やっぱり面白いやつだ。お前が梨花を好いてることなんて、知ってるんだぞ。

俺は…はっきりさせる。

放送を始める。

♪ぴんぽんぱんぽーん♪

俺は、決心したんだ。みんなに伝えると。
『みんな、聞いてくれ。俺は隼人だ。』

よし、心を落ち着けて…。

『俺は…梨花のものだ。梨花も俺のもの。梨花に手ぇだしたやつは許すわけがねぇし、俺は梨花以外は興味ねぇ。』

「おぃ、俺、聞いてねぇぞ。嘘言ってんじゃねぇよ。」

「嘘じゃねぇよ。全部本当だから。お前、梨花に手ぇだすんじゃねぇぞ。」

『おい、隼人が嘘言ってるぞー』

「竜一、てめぇ何言ってんだよ。」

『これは嘘じゃねぇ。本気だ。俺は梨花を一番に愛してる。梨花、この放送のあと、図書室に来い。』

『梨花、行くんじゃねぇ。終わったら放送室に来い。』

♪ぴんぽんぱんぽーん♪

放送が終わった。

「さぁ、隼人。勝負のときが来たじゃねぇか。」

「勝負もなにも、俺が勝つに決まってんだろ。」

「どこからそんな自信が出てくるんだよ。」
「俺が梨花の彼氏だからに決まってんだろ。」


この言葉だけを残して放送室をでた。