はっ!

…寝てしまった…。

「ここ…どこ…?」

「は、隼人、お、お、お、起きたぁー!」

明らかに焦っている。てか、誰?

「おい。秀哉、失礼だぞ。」

「しゅう…や?」

「はぁい?てか、俺の名前読んだぁ!」

「だから…はぁ…。」

隼人はあきれている。私はよく状況がつかめない。

「隼人。ここ、どこ?」

「ここ?あぁ、俺ん家。」

「隼人ん家か。って、えぇ!」

「うわ、こいつ、驚いてるよ!」

「あ、紹介してなかったな。こいつは赤井秀哉。」

「秀哉だよ☆よろしくね♪」

「うん、よろしく。」

「んで、こっちは…緑川梨花」

「ほぉ…。梨花ちゃんねぇ…。」

「うん、梨花だよ?どうしたの?」

二人は顔を見合わせている。私はさらに状況がつかめなくなった。

「梨花、こいつのことは気にするなって。な?」

「う、うん。」

「あ、俺、帰るからな?あれに行かなくちゃ…。」

「あ、あれか。よろしく言っといて。」

「はいはい。わかったよ。じゃあね♪梨花ちゃん♪」

「はい、さようなら。」

隼人がそう言って勢いよくドアを閉め、鍵をかけた。

「あいつ、こうでもしないといつも帰んないからさ。」

少し笑いを交えながら隼人は私のもとへ戻ってきた。

「隼人。」

「ん?」

「私…。昨日寝ちゃって…。」

「うん。」

「その…ありがとう。」

「好きな相手には当たり前さ。」

隼人がにこっと笑った。いつもの、爽やかな笑顔。

「んじゃ、そろそろお返事を聞かせてもらおうか。」

「あ、うん…。」

「どんな返事でも俺は傷つかない。」

「あのね。隼人…。」

「うん。」

「私も、あることが原因で彼氏とか好きな人をつくらなくなった。なんというか…凄く男の人が怖くて…信じられなかった。でもね…。」

私は、いきづまり、泣いてしまった。

「いいよ…続けて。」

隼人は自分の胸に私を寄せた。

「でもね…。隼人とおんなじで、気になる人が出来て、怖いっていうのが薄れていった。」

「その気になる人って?」

「私…隼人が好きなの。すごくすごく…。隼人といると落ち着いて、素直になれる…。」

「梨花…。」

「ううっ…。」

「俺でよければ、梨花を守る。俺と、付き合ってくれねぇか?」

「うん、隼人となら付き合う。」

隼人は壊れ物を扱うように私をそっとなで、頬にキスを落とした。

「梨花、愛してる。」

「私も、隼人を愛してる。」

隼人の唇と私の唇が重なった…。