喫茶店についたのはあっという間だった。私はバイクから降りた。

「隼人、ありがとう。」

「どーいたしまして。」

「んじゃ、行ってくる。」

「あぁ。わかった。」

入り口に入ろうとしたとき、見覚えのある顔が私の視界を横切った。竜一だ。

竜一は私に気づかず、帰っていった。

私も知らないふりをして喫茶店に入った。

「梨花ぁ!」

「陽香!遅くなってごめんね…。」

「大丈夫だって。それでね…。」

私は陽香から作戦を聞かされた

内容:陽香は竜一が好き
竜一は梨花が好き
でも、梨花は好きな人はいない
陽香のお手伝いをして
竜一が陽香を好きになるように仕組む
ということだった。

「どう…?やっぱダメだよね…。」

「ううん。やる!陽香に成功してもらいたいもん!」

「本当!?ありがとう!!」

「当然だよ!でも、具体的にどうしたらいいの?」

「もっと隼人と仲良くするだけ。」

「え!?」

「どーしたの?」

「それだけ!?ってか、なんで隼人?」

「それだけ。最近仲いいじゃん!」

「たまたまだよー。」

「そーなの!?じゃあ、そのままでいいよ!」

「わかった。じゃあ、そろそろ帰るねっ。」

「うん。今日、ありがとう!ばいばい。」

「いーってことよ!ばいばい。」

そう言って私は喫茶店を出た。