それから、自分の泳ぎとか、
レースとか、覚えてない。
ただ、ひたすら全力を尽くした。
あっ!告白っ!!
かなたっ!…………………いないっ?!
え…どこ?どこ?
なんで、このタイミングっ?!
私は、気づけば空に一番近いと考えた
屋上に来ていた。
そこに…かなたはいた。
「おっ!やっと来たな♪
のん、おめでとう。優勝だ。
もう、おまえに教えることはない。
さよならだ。」
…………………え…?
帰っちゃうの?
ちょっと待ってよ!
やだよ…ねぇ…ずっといてよ。
声を出して、嫌だと言いたい。
だけど、嗚咽で上手く声がでない。
涙が出てくるのが分かった。
「んな顔、すんなよ。
俺だって、いきたくねーよ。
それでも…いつか帰らなきゃいけないなら、
のんがやり遂げてからって
初めから決めてたんだよ。
俺、おまえが好きだよ。
でも、俺は所詮幽霊。
死んでんだ。
おまえには、ちゃんと身体のあるやつと
幸せになってほしい。」
何言ってるの?
そんなのいらないよ。
かなたがいればいい。
今、好きって言ったじゃん!
じゃぁ…そばにいてよ。
「なぁ、のん…
お前が、これから好きなやつを見つけるのはつらい。
でもな、何より幸せになってほしい。
だから、約束しよ。
のんが、好きなやつを見つけて、
結婚して、子供を産んで、
おばぁちゃんになって、
コロッと死んだら…
そしたら、俺を探して。」
「え?」
「天国で、俺と最後の恋をしよう。」


