あっ!一位…え?
二位?
なんで?
でも、確かに私のまわりに人はいなくて、
結構な距離をつけたはず…
どうして?
いつの間に…
「のん、頑張ったな!
自己記録更新だ!」
そうやって、ニコニコしながら指差す方向には、電工掲示板があり…
私のタイムがのっていた…
確かに、自己最速記録…
でも…嬉しくない。
一位との差は、四秒…
そんなはず…
「のん。嬉しくないんだろ?
自分が一位だったはず。そう思ってんだろ?
どうなってたか、教えてやろうか?」
言葉を発する余裕などなくて…
とにかく、私は、こくひと頷いた。
「ただ…
話す前に聞け。
おまえは、頑張った。
自己記録だって更新した…
今までで、一番本気だった…
だから、自分をほめてやれ。」
その言葉が、妙に優しく響いた…
気づかない間に、大粒の涙がボロボロとこぼれ落ちていた。
やっぱり、大好きだと、思った。
よく頑張ったね。私。
「そんでだ。
どうなったかと言うとな…」
規則正しい息にはなったのに
心臓がドキドキうるさい…
かなたの話が聞けないじゃん!
「はじめは、のんが勝ってた。
でも、残り15㍍ぐらい。
つまり、のんがバテてきたぐらいに、
あいつは本気を出した…
のんを、難なく抜かした。」
え?
すごくないっ?!
なに、そいつ…超人じゃん。


