誰もいなくなると,中島花梨は静かに自分の机に向かう。



ピンクのハートがついたカバンを持ってまた戻ってきた。



「座ろうよ。」



そして中島花梨はあたしの隣の席にゆっくりと座った。



あたしも自分の席に座る。



『で,何なの?』



あたしが話しを切り出すと…中島花梨はゆっくりと自分のカバンを開けた。




…中島花梨の手に握られていたのは



汚く落書きされ,ぐちゃぐちゃに破かれた教科書だった。



見るからにヒドいものだった。