そして、遂にその日は来たのだ。
私の心とは裏腹に、快晴の空にほんの少しの苛立ちを覚える。
貴方まで私を裏切るのね
良いわよ、別に
彼女が誰を選ぼうと、彼女は私の隣に居てくれるはず。
だから、あんまり図に乗らないでよ。
名前も知らない男。
彼女の親友は、私なんだから。
私を、捨てないでね、神様。
私の大事な神様。
貴方が、貴方が望むなら私は最悪の選択をしても構わない。
『…それで、何の用なのかな』
彼女がトイレに行ってる間に私に話しかけて来た名前も知らない男。
[お前、俺の事が好きなのか?]
は?
待て待て待て、何故そうなる
[朝からずっと俺を付けてるし…]
違う、私が見ていたのは彼女だ。
[俺、彼女は居るけど…お前の事も嫌いじゃないし、お前も彼女にしてやるよ]
あ、ヤバい。
キレるなぁ…
あーらら、こんな姿を彼女に見せてしまったら彼女はどうなるのだろう。
でも、まぁ良いや。
『…ざけんな、キモ男。』
あぁ、もう言葉が直ぐに出て来るよ。
『誰が、お前の事が好きだって言ったよ。
誰が、あの子をお前の彼女だって言ったんだよ。
本当、お前みたいな自意識過剰は嫌いだ。
あの子の彼氏面すんの、いい加減に止めろよ。』
あ、ごめんね
見られた、彼女に
あの子に、神様に
あんな醜い私を
今まで頑張って大人しい子を演じてたのに、本物の私を曝け出してしまった。
ごめんなさい、神様。
罪のある私に天罰を
何もないあの子に、幸せを。
