月光~都会のとある裏組織~

*

彼らはお互いを信じている。
だからこそ互いの
過去や本心に無理に
触れようとはしない。

人にはそれぞれ考えがあって
生き方があって過去がある

それぞれの過去

あの明るい子にも辛い過去が
あるのかもしれない

それぞれの抱える過去は
人それぞれなのだから。


*


「……」

楽火と狐狛の部屋の
扉の前に立つ梨梨

ドアをノックしても
返事は返ってこない

「おかしいな…」

部屋に鍵はついていない
梨梨はそっとドアノブを回して
中の様子をうかがう

と、ベッドの上に
倒れている狐狛が見えた

「狐狛っ!?」

梨梨は慌てて狐狛に近づく

「狐狛っ?」

覗きこむと寝息をたてて
気持ち良さそうに寝ている

寝てるだけか…

そういえば楽火は?

その時キュッという音が
梨梨の耳にはいる

「あ、やばっ」

それは紛れもなく
シャワーの止める音。

梨梨が部屋を出て行こうと
思った時には既に遅く、


「あ」

という声と共に登場した
タオルを腰に巻いた楽火。