「こちらはお母さんと同じ職場の佐倉雅美(まさみ)さん」 微笑みながら、ペコッと軽く頭を下げた雅美さん。 「と、息子の佐倉恭汰くん。同じ学校らしいわね!知ってた?」 知ってるも何も……っ! 私は何を言えばいいか分からなくなって、ただ無言で頷いた。 佐倉先輩の様子を盗み見ると先程と同じく無表情のままだった。 私は佐倉先輩と目が合ってしまう前にすぐ反らした。