俺の素顔、知りたい?




「学食だからな?勘違いす」

「分かってるって!じゃあね!」


またもや武智の言葉を遮って嵐のように去っていった萌子ちゃん。


ふう、とため息をついた武智と、ふいに目が合った。



「……鈴宮」


武智はもう“胡桃”って呼ばなくなった。


仕方がないことかもしれないけど……少し、少しだけ寂しい。



「なんとかしてくれよ……鮎川のやつ」

「えー?武智も満更でもない感じじゃん」

「断じて違うから!」


どうだか。

私より萌子ちゃんの方が可愛いし何よりいい子だもん。


……きっと前よりは気になってるはずだよ。