先輩の問いかけに「もちろん」と答えたあと、途端に顔を曇らせたお母さん。 「でも、悪いわ。嬉しいけど…」 「遠慮なんてしないでください。バイト代で買ったので」 バイト? 先輩、いつの間に……!? 「それに」と言葉を紡いで、少し微笑んだ先輩。 「母さんが菜々子さんとまた旅行に行きたいって言ってるんです」 「まあ、雅美さんが?」 「はい。だから……よかったら付き合ってやってください」 「それに比べたらマフラーなんて安いものです」と、笑ってみせた先輩。