先輩ってすごく、しっかりしてるんだなあ…… お母さん以外の女の人に向けたら妬いちゃうような完璧な笑顔。 なんか惚れ直しちゃうな…… 「それから、胡桃さんとお付き合いさせてもらってます」 頭を起こしたと思ったら、唐突にそう言った先輩。 片足だけ靴を履いたままの状態でポカンと先輩を見つめる。 「ふふ、律儀なのねえ恭汰くん。胡桃が迷惑かけてないといいんだけど」 「いえ、そんなことありません」 「でもうるさいでしょ?胡桃は」 「……」 お母さんにそう尋ねられた先輩はちら、と私を一瞥した。