「なんだか楽しそうねえ」


またリビングへ戻ろうとした時、声をかけられて足を止めた。


お母さんはコンロの火を消してから柔らかい表情を浮かべた。



「恭汰くんが来てくれるのが楽しみで仕方ないって顔してる」


お母さんの言葉に私はハッと片手を頬に当てた。


そんなにバレバレなの……!?



「胡桃が彼氏を連れてくるのって初めてよね?お母さんも楽しみ」


それだけ言うと料理を再開してしまったお母さん。


か、彼氏……!?



「えっ!?お母さん何で知ってるの!?」