先輩に促されて椅子に座る。 意外と綺麗な椅子にちょっと感動しながらも、向かい側に座ってる先輩に目を移した。 「話って……まさか、わ、わか」 「アホか」 なぜか瞬時に先輩からデコピンが飛んできた。 ……地味に痛いです。 「別れ話だと、ほんとに思ってんの?」 射るような目で見つめられて一瞬言葉を失う。 別れ話なんて、そんなこと。 考えたくもなくて、さっきも最後まで言葉が続かなかったのに。 「別れたく、ないです……」 いろいろ考えていると、先輩の質問を無視してそんなことを言っていた。