今、先輩に抱き締められてる現実がもう嬉しくて。 夢じゃないかと疑ってしまいそうになる。 「っ……!」 なんて考えていたら身体をさっきより強く抱き締められた。 まるで、私の心を見透かしたみたいに…… 「……胡桃が好きだ。散々離れてて信じてもらえないかもしんねぇけど」 先輩の息が耳元にかかって、くすぐったい。 少し身をよじると逃がさない、とでも言うように抱き締められる。 「胡桃を諦めるなんて出来ねぇんだよ……」