「もう俺と……胡桃だけには関わらないでほしい」


すっと椅子から立ち上がった先輩は、酒井さんの横を通り過ぎて。




「……っ!!」



私の目の前にきた。


その近すぎる距離に私は息が出来なくなる錯覚に陥った。



……ドキドキ、してしまう。


ふ、と笑みをこぼした先輩は私の肩をグイッと引き寄せた。





「……俺の好きなやつを傷つけてほしくねぇから」



───そう、言いながら。