「さ、酒井さん……」 間違いなく酒井さんだった。 鮎川さんが“真緒”って呼んでたあの子。 「邪魔しないでくれる?彼女でもないくせに」 やっぱり冷たい瞳は変わらない。 何でこんなに蔑むような目つきをするの……? 「佐倉先輩、返事……聞かせてください」 私に背中を向けて先輩と向かい合った酒井さん。 ちょうど先輩は酒井さんに隠れてしまって表情が見えない。