桃琴は、渡瀬先輩と昼食を食べるために学食へ。 私は、恭汰先輩と話すためにあの空き教室へ。 「……よし」 一応お弁当を握り締めて、教室を出る。 空き教室は、9月のまだ先輩に出会ったばかりの頃に行ったことがある。 そこで先輩を呼び出すことに成功して、告白出来たんだよね。 ……思えば、あの頃の方がなにも考えないで行動してたな。 恐れることなんてなく、ただ自分の気持ちに正直だった。 「……あ」