げた箱でローファーに履き替えて外へ出れば、冷たい風が容赦なく吹きつけてきた。 「あー……寒っ……」 もう何度目か分からない“寒い”をつぶやきながら歩く。 ……いつだって来てくれたのは、先輩だった。 里華さんとのことを勘違いして先に学校へ来た時だって、 告白大会の時だって、一緒に帰ろうって言ってくれた日だって…… いつだって、先輩が私の教室まで来てくれた。 それが嬉しくて……彼女になってからはそれが当たり前のことだと思ってたのかもしれない。