「胡桃!」 「……」 「くーるーみ!」 「……」 「聞いてるの!?」 桃琴に頭をペシッと叩かれて我に返った。 ……え?何事? 「さっきから意識飛んでるけど、どうしたの?」 「ご飯も減ってないし」と言われて視線を落とせば、開けたまま中身の減ってないお弁当がある。 あー…箸持ったままボーっとしてたのか。 「あー…いや、ちょっとね……」 曖昧に返事をしながら、おかずにやっと箸をつける。 どんなことがあってもお腹は減るもんだ。