連れてこられたのは学食と体育館の間のたまり場。
……ほんとに、人目につかないところだ。
「あんたさ、恭汰と付き合ってんの?」
ついて早々、リーダーらしい女の子が口を開いた。
そんなこと聞くために、わざわざ連れてきたの……?
私はギュッと拳を握って、その女の子を見つめた。
「付き合ってます。私は先輩が」
「よく言うね?そんなこと」
“好き”という言葉は言うことを許されなくて、別の女の子に遮られた。
上履きの色でリーダーらしい女の子は2年生って分かってたけど、
私の言葉を遮ったのは1年生の子だった。



