「涼介にも手を出すなんて最低!あたしの方が涼介を好きなんだから!」 ……ひどい言われよう。 これは私も言い返さないと気が済まない……! 「胡桃を最低なんて言うな。お前に胡桃の何が分かるんだよ」 私が口を開く寸前、背筋も凍るほどの低い声が教室に響いた。 隣を盗み見れば、見たことがないくらい怖い顔した武智がいた。 そんな武智に一瞬怯んだ女の子。 でもすぐに口を開いた。 「……っ!涼介は何も分かってないよ!あたしがどれだけ」 「行くぞ」 ふいに腕を引かれてグラッと倒れるように足が進んだ。