「───なあ、聞いてんの?」



私達以外に誰もいない、放課後の図書室。


誰もいないせいで先輩のその声がやけに響いた気がする。



「……な、何をですか?」


私は握りっぱなしだったシャーペンを机の上に置いて先輩を見た。



───文化祭が終わって半月。


もう11月に入って、だんだんと秋が終わっていく季節。


私と恭汰先輩は、勉強をするために図書室へ来ていた。



「胡桃、最近ボーっとしてること多くねぇか?」