先輩、優勝したんだ……



「大河先輩達勝ったね!嬉しいっ!……胡桃?」


にこにこした笑顔で私を見た桃琴の顔が、不思議そうな顔に変わった。


先輩が勝ったことは嬉しい。

桃琴と喜べばいいのに。



「なんて顔してんのよ、胡桃は」


呆れたようなため息と共に言われた言葉に、心の中で苦笑い。



……きっと変な顔だろうな。


優勝を喜びたいけど、喜べない。


嬉しいはずなのに……つらそうな武智の顔から目が離せなかった。