私達は1時間近く体育館にいなかったから。 ……ってことは。 「……決勝戦?」 そうつぶやくと桃琴が頷いた。 「そうだね。それに相手が……」 桃琴の視線を追ってよく目を凝らして見ると、私の視界に見覚えのある顔があった。 「……武智だ」 「さすが、残ったんだね」 なんだか先輩と武智が同じコート内にいるなんて不思議。 ……まあ、2人はお互い知らないし、こんなこと思うのもきっと私だけだよね。