「きょ、恭汰せんぱ~い……っ」 そんな意地悪そうな先輩も愛しく思えて、涙声でそう口にしながら先輩に抱きついた。 一瞬ビクッとした先輩は、小さく笑うと腕を回してくれた。 「……やっぱり胡桃に振り回されてばっかりだ」 「へ?」 「いや?なんでも」 ん? なんか誤魔化されたような……? 「恭汰先輩って意地悪ですね…」 彼女になれたばっかりで、隠し事ってイヤだな…… と、私はふてくされているというのに先輩はなぜか笑っていた。 「やっば……にやける…」