「……胡桃?」 そっと身体を離されて、先輩に顔を覗き込まれる。 すると、先輩はふわっと柔らかい笑みを浮かべて。 「顔、真っ赤」 そう言った後、意地悪そうに口角を上げた。 これ、現実? 夢じゃ……ない…? 「わ、私の方が好きですよ~~」 ああダメだ、涙が出てきた。 先輩が私のことを“好き”って、夢みたいなことを言ってくれて… 何かがプツンと切れてしまった。 「悪かったな。早くに家を出たりして」