「話したくなかったら……無理に聞かないけど」 そっと箸を置いて私をまっすぐに見つめる桃琴。 「動物園に行った日から変わったよね?……何か、あったの…?」 心配そうに揺れる瞳にどうしようもなく甘えたくなった。 このまま先輩への想いが消えてしまえば問題ない、って…… そう思ってたのに。 そっと頬に手を当てる。 『これで胡桃に触れるの最後にするから。これくらい許せよ』 キスされた感触がまだ残っているような気がしてならない。