いや、違うな。

ただ先輩のことを考えないように他のことに集中したかったから。



「鈴宮ー」


名前を呼ばれて教卓へ歩み寄る。


担任が生物教師だから、ここは高得点を取りたいところだけど……



「よく頑張ったな」


そんな言葉と共に返された答案用紙を穴が開くほど見つめる。



「ウソ……!やったぁ!」


そこには“88”の文字。

スゴい……理系教科で80点超えたなんて初めてだ!