「もう終わったことなの。今さらどうにもならない」 だから、私が先輩を忘れるしかない。 誰かに話して、何かが変わるわけじゃないから。 「ありがとう、桃琴。………武智も」 おっと武智を忘れるとこでした。 そんな私に、いつもの武智なら憎まれ口をたたくくせに。 「なんだよ、それ……」 顔を隠すように俯いて髪をくしゃと触った。 よく読み取れない表情に、私は何も言うことが出来ない。 そんなに心配しないで。 私は大丈夫だから。