「目、逸らすなよ」


顎を掴まれて、くいっと先輩の方に上げられた。


バチ、と音がしそうなくらい絡み合った視線。


それに耐えられなくて、また逸らそうと試みたけど、顎を掴まれているせいで動けなかった。



「そんなに、俺のこと嫌いか?」


瞳を泳がせていると、先輩はどこか切なげにつぶやいた。


嫌い、って……そんなわけない。


むしろ別の言葉にして叫びたいくらい……!



「……嫌いなわけないです」