“大事な話”ってなに……?


いいこと?……それとも悪いこと?



「───なあ」


私の方へ振り返った先輩が、低い声をもらした。


いろんな感情が含まれていそうで

それなのに真意は汲み取れない。


───そんな声。



「……っ!?」


え、と驚く暇もなく、私の背中にひんやりとしたドアが触れた。


私の顔の隣には先輩の右手。



な、何でこんな体勢に……!?


先輩の顔はもちろんすぐ近くにあって、思わず目を逸らした。