私の名前を呼ぶ声が聞こえて、私は口をキュッと結んだ。 ………言えなかった。 これは完全にタイミングを逃した気がするな…… 「胡桃聞いて!大河先輩と付き合うことになった!」 告白を邪魔しただなんて1ミリたりとも思っていないだろう桃琴が嬉しそうに言った。 まぁ、いいや… きっとまた言える日が来る、よね……? 「よかったね!おめでとう!」 「ありがとー!ダブルデートのおかげ!胡桃のおかげ!」 ガバッと抱き付かれる。