「ふっ……はいはい。ゆっくり準備しろよ」 先輩はそんなことを言いながら、部屋を出ようとする。 え、ゆっくりって!! 「恭汰!……先輩」 呼び捨てが出来なくて、不自然に先輩をつけてしまった。 「いいよ、今まで通り、先輩で。でもせめて恭汰先輩、な?」 優しく笑ってくれる先輩。 うわぁ……、なんだか優しすぎて錯覚する。 ……先輩は思わせ振りなんだね。 「で、どうした?何かあって呼んだんだろ?」 ハッ!! そうでした! 先輩の笑顔に見惚れてる場合じゃなかったです!