「……帰るぞ」

「はい!」


さりげなく、握られた手に嬉しくなる。


先輩───いや、恭汰にとってはなんてことないと思うけど、

私はすごく嬉しいんだよ。


恭汰は何でダブルデートがいいのか聞いてこなかったけど。

それを聞かれなくてよかった。


だって「先輩と2人きりだと緊張するから」なんて。



───絶対に、言えないもんね。



少しだけ変わった関係で、デートを迎えることになった───…