2つ、か…… なんて冷静に受け止めたのはそこまでだった。 「俺を名前で呼ぶか、俺にキスするか」 「………」 「どっちがいい?」 にや、と妖艶に口角を上げる先輩を無言で見つめる。 言葉が出てこない。 頭がついていかない。 「胡桃ー?聞いてんの?」 目の前で先輩が可愛らしく小首を傾げて、我に返った。 「き、聞いてました!」 一応、ダブルデートのための条件だから聞いた。 だけど……ムリに決まってる!!