「あ…君、名前は?」 私の方へ向き直った王子様が尋ねてきて、私はビシッと姿勢を正した。 「鈴宮胡桃です!」 「っ!鈴宮胡桃…?」 「は、はい!」 名前をウソついたりしません! なのに……王子様は何かを考えるように眉間にシワを寄せている。 「あっ、シャツのことは気にしないでね?」 「えっ……」 弁償しろ!とかはないんだ!?