すると、私の眉間に先輩の人差し指が当てられた。 「なーんて、胡桃は俺のこと好きじゃねぇからそんなこと思わねーよな」 「こんな怖い顔しちゃって」と、私の眉間をツンとつつく。 そう言った先輩の顔はなんだか切なげで、それ以上、私には真意が読み取れなかった。 『先輩のことなんて、好きじゃありません!』 脳内に蘇ったその言葉。 そうだ、私は先輩のこと“嫌い”ってことになってるんだった。